「傷物語」は、「化物語」の前日譚として書かれた「西尾維新」著の小説です。
劇場版3部作としてアニメ化されたことでも話題となりましたね。
主人公の阿良々木暦と忍(キスショットアセロラオリオンハートアンダーブレード)の出会いの物語。
- なぜ暦は吸血鬼になったのか?
- なぜ忍は幼女になったのか?
など、すべての物語シリーズの始まりを描いた作品で、これを見ずにして物語シリーズは語れません。
この記事では、「傷物語」のあらすじをネタバレありで紹介していきたいと思います。
ネタバレは見たくない…
という方は、この先は見ないでください(笑)。
とはいえ、傷物語…というか、物語シリーズ全般に言えることですが、たとえ内容を知っていたとしても全然楽しめる作品ですし、なんなら内容を知っている方が楽しめるかもしれませんよ?
僕も何度もアニメや小説を見返しているくらい何度見ても面白いですからね!
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「傷物語」ざっくりまとめ
傷物語は、主人公の阿良々木暦が高校3年生の春休み(3/26~4/7)に起きた出来事について描かれています。
- 同級生の羽川に吸血鬼の話を聞く
- 四肢をもがれた女吸血鬼「キスショットアセロラオリオンハートアンダーブレード」と出会う
- 暦は助けるため自分の血を吸わせ眷属(けんぞく)となる
- 暦は人間に戻るためキスショットの四肢を奪った3人の吸血鬼ハンターと戦うことに
- 忍野メメとの出会い
(劇場版Ⅰ鉄血編はここまで) - VSドラマツルギー
- VSエピソード
- VSギロチンカッター
(劇場版Ⅱ熱血編はここまで) - 忍野メメがキスショットの心臓を奪っていたことを知る
- キスショットはすべてのパーツを取り戻し完全復活する
- 暦はキスショットが人間を食べる姿を見る
- VSキスショット
- 忍野メメに救いを求める
- キスショットは吸血鬼もどきの人間のごとき存在に、暦は人間もどきの吸血鬼のごとき存在になる
(劇場版Ⅲ冷血編で完結)
といった流れで展開されていきます。
ざっくりした結論から先に書いてしまうとこんな感じです。
キスショットは、死に場所を探していたが、いざ死ぬとなったら怖くなった。
そんな時ぐうぜん暦に出会い助けられる。自分の命を捨ててまで助けようとした暦に心を動かされ、暦を生かすために自分の眷属とした。
そして、暦を人間に戻すためにキスショットは暦に殺されることを決意する。
しかし、怪異と人間の中立の専門家である忍野メメの提案によって、キスショットは吸血鬼もどきの人間のごとき存在に、暦は人間もどきの吸血鬼のごとき存在として生きることになる。
つまり、この「傷物語」は、みんなが不幸になるバッドエンドとなります。
それでは、じっくりと僕のピックアップポイントとともに紹介していきます!
羽川翼と初めての会話
物語の始まりは、高校2年と3年のはざまである春休み。
阿良々木暦は、終業式の日に
- 学年トップで優等生
- 委員長の中の委員長
である今作のヒロインである羽川翼と出会う。
そこで不意の強風でスカートがめくられ、羽川のパンツがあらわに!
小説では、パンツの感想だけで4ページにわたって描写されてるよ!これぞ西尾維新ワールドwww
とはいえ、これがきっかけで羽川と初めて会話することになる。
羽川が不意に「阿良々木君は吸血鬼って信じる?」と。
もちろん、暦は信じていないけど、パンツを見た代償として話を聞くことに。
すると、羽川は「最近、吸血鬼が出るという噂がある」と言う。
まぁ、この辺は王道と言える伏線ですよね。
このシーンでは、暦の「友達を作ると人間強度が下がるから」という謎の名言(迷言?)が生まれますww
別れ際、羽川は、暦の携帯に自分の番号とメルアドを登録すると
「ざ~んねん!友達出来ちゃったね!」
と言って立ち去っていく。
キスショットアセロラオリオンハートアンダーブレードとの出会い
羽川と別れて帰宅した暦は、本屋へと向かうことに。
本屋に行く理由は、羽川のパンツが脳裏に浮かんできて興奮したからエロ本を買いに行くため。うん、高校生だねwww
その帰り道
「うぬ。そこのうぬじゃ。」
と呼び止めらられ、振り向くと金髪の美しい女性が横たわっていた。
ただ、その女性は両手、両足が切り落とされている状態だった。
そんな状態でもその金髪の女性は言う。
「わしを助けさせてやる」
「じゃから、うぬの血をよこせ」
「わが名は、キスショットアセロラオリオンハートアンダーブレード」
「鉄血にして熱血にして冷血な吸血鬼じゃ」
と。
ここで暦は、羽川との会話「吸血鬼の噂」を思い出す。
当然、暦は怖くなりその場を離れようとする。
すると、さっきまで上から目線だった女吸血鬼が
「嘘じゃろ。助けてくれんのか?」
「いやじゃ!死にたくない!」
と、涙を流しながら暴れまわった。
そんな姿を見た暦は、買ったばかりのエロ本を投げ捨て、自分の血を女吸血鬼に吸わせて助けることに。
キスショットの眷属(けんぞく)となる
血を吸われ死んだかと思った暦は、どことも分からない廃墟(学習塾跡)で目を覚ますことになる。
そこには、隣で10歳くらいの金髪の小さな少女が寝ていた。
起きない少女をよそに、外に出ようとした暦は、太陽の光で体が燃え上がる。
すると、少女が助けにきて
「いきなり太陽の下に出るバカがいるか」
と言う。
そこで暦は、この少女があの女吸血鬼と分かる。
続けて少女は言う。
「眷属を作るのは400年ぶり2回目じゃ」
と。
暦は自分が吸血鬼になってしまったことに気づく。
キスショットの眷属となったことで暦は生きながらえたが、当然、暦は人間に戻りたいと言う。
そのためには、暦はキスショットから四肢を奪った
- ドラマツルギー
- エピソード
- ギロチンカッター
3人の吸血鬼ハンターから奪い返すことが条件となった。
忍野メメとの出会い(劇場版Ⅰ鉄血編はここまで)
3人の吸血鬼ハンターからキスショットの四肢を取り返すことになった暦。
キスショットは「1人ずつなら楽勝じゃ」と言われていたが、ここで3人同時に襲撃されてしまうことになる。
3人の会話はアニメだと分からないようになっているけど、小説だと会話の内容が分かりますよ。これがまた面白いんですよね!
当然
- 吸血鬼になりたて
- 戦い方を知らない
暦が太刀打ちできるわけもなく、やられそうになった時、3人同時の攻撃を軽く止める男「忍野メメ」が現れます。
「君たちは元気いいな~。何か良いことでもあったのかい?」と、お決まりのセリフ。
吸血鬼ハンター3人は、なぜかそのままその場を立ち去って行った。
忍野メメと一緒に学習塾跡に戻った暦は、キスショットと次の戦いについて話す。
「気に入ったよ。ハートアンダーブレード。眷属として阿良々木君をちゃんと人間に戻してあげようとするその心意気に。」
「交渉人だか何だか知らんが、余計なことを言うなよ小僧。」
と、キスショットと忍野メメは、意味深な会話をする。
ここで、忍野メメが吸血鬼ハンターたちと1対1で戦えるように交渉するという。
VSドラマツルギー
忍野メメの交渉のおかげで直江津高校で1対1の対戦をすることになった暦。
最初の相手は、キスショットから右足を奪った筋骨隆々で元人間の吸血鬼「ドラマツルギー」である。
最初こそ苦戦したものの、吸血鬼の中でも上位の存在「キスショット」の眷属である暦の力は圧倒的であっさりと勝ってしまう。
ここでの注目は、バトルシーンはもちろん、その戦いを見ていた羽川との会話シーン!
暦とドラマツルギーの戦いを見ていた羽川は
「今の何?」
とつめよる。
そんな羽川に対して、巻き込みたくない暦は、思いつく限りのひどい言葉でつきはなす。
とはいえ、そこは西尾維新先生。こんな場面でも笑いを入れてくるのはさすがですね。
最終的には暦が
「ひどいことを言ってごめんなさい。僕と友達になってください。」
と言って、羽川と本当の友達になるシーンは必見ですよ!
VSエピソード
ドラマツルギーからキスショットの右足を取り返した暦の次の相手は、左足を奪った人間と吸血鬼のハーフである「エピソード」である。
巨大な十字架を操るのが特徴的なエピソードに暦は苦戦するが、またしても戦いを見ていた羽川が「相手は霧でしょ!」と叫ぶ。
そんな羽川に対してエピソードが攻撃し、羽川の腹をえぐる。それを見た暦は、怒り、羽川の助言通りに行動して、エピソードを殺そうとするが
「それ以上やると人間じゃなくなるよ」
と忍野メメが止めに入る。
羽川を助けるために、暦は吸血鬼である自分の血を注ぎ、彼女は回復する。
ともあれ、エピソードに勝った暦は、奪われた左足をゲット!
VSギロチンカッター(劇場版Ⅱ熱血編はここまで)
最後の対戦相手は、キスショットから両腕を奪った人間「ギロチンカッター」である。
その対戦前に暦は、羽川と会う約束をしていた。
エピソードとの戦いで羽川が傷ついたのを見て
「もうここには来ない方がいい」
と言うために。
そして、「新学期に僕のことを待っててくれ」と告げる。
すると、なぜか羽川は履いていたパンツを脱いで暦に手渡した。
いやいや!何でやねーん!とツッコミを入れたくなる展開ww
「新学期に会った時に返してね」と羽川は言う。
そして、「新学期に会おう」と2人は別れた。
その数時間後、忍野メメが
「悪い。委員長がさらわれた。」
と告げる。
それを聞いた暦は急いでギロチンカッターのもとへ向かう。
卑怯な行為をしたギロチンカッターに暦は怒り、自分の肉体を変化させ、あっさりと羽川を奪い返し、ギロチンカッターを制圧する。
キスショットが完全復活する
奪われた四肢をすべて取り返し、いよいよキスショットが完全復活することになる。
しかし、暦は、疑問を忍野メメにぶつける。
「眷属である僕でさえこんなにあっさりとあの3人に勝てたのに、完全体であるキスショットが負けるなんてあるのか?」
すると、忍野メメは、「するどいね~」と言いながらポケットからキスショットの心臓を取り出した。
そう、忍野メメは、完全体のキスショットと3人の吸血鬼ハンターとのバランスをとるために気づかないうちに心臓を抜き取っていたのです。
完全体のキスショットから気づかれないように心臓を奪える忍野メメは本当に何者なんだよ!?って感じですよね。
とはいえ、忍野メメは心臓を返し、キスショットは完全復活する。
VSキスショット
完全体になったキスショットと暦は談笑していた。
途中、「小腹がすいた」と暦は言い、食料を買いに行くとコンビニへと向かうことに。
暦が買い物をして戻ってくると、そこにはギロチンカッターを喰うキスショットの姿があった!
それを見た暦は、自分がキスショットを助けたせいで人間が喰われてしまったと激しく後悔する。
どうしようもなくなった暦は、羽川に助けを求めることに。
ここからのシーンはマジで重要!体育倉庫での暦と羽川の絡みは、ぜひアニメも小説も「観て・読んで・聴いて」ほしい!
場面は変わって、羽川に助言を受けた暦は、キスショットと戦うことになった。
吸血鬼同士の激しい戦いが続く中、羽川が「何かおかしい」と飛び出してくる。
すると、「余計なことを言うな!」と羽川に向かってキスショットが叫ぶ。
ここで暦は、忍野メメとキスショットの会話を思い出す。
実は、キスショットは、暦に殺されることで暦を人間に戻すことを考えていたのだったのです。
キスショットは死に場所を探していたが、3人の吸血鬼ハンターに殺されかけて、やっぱり死にたくないと思った。
そんな時、ぐうぜん暦と出会い、助けられたことで暦のために死のうと決意したからなんですね。
それを知った暦は、どうしようもなくなり「忍野ー!忍野メメー!」と叫んで助けを求めた。
みんなが不幸になるバッドエンドへ(劇場版Ⅲ冷血編で完結)
キスショットと暦の戦いを見ていた忍野メメが現れ「みんなが不幸になる方法ならある」と言う。
ここで言うみんなとは
- キスショット
- 暦
- 人類
のことですね。
忍野メメが提案した方法とは、暦がキスショットを死なない程度のギリギリのとこまで殺し、吸血鬼としてのスキルを奪うことでした。
そうすることで
- キスショットは死なないが、吸血鬼もどきの人間のごとき存在に
- 暦は人間には戻れないが、人間もどきの吸血鬼のごとき存在に
- 人類は吸血鬼が生きているという事実が残る
忍野メメが言う「みんなが不幸になる」状態になります。
当然、暦に殺されて死ぬつもりだったキスショットはそんな提案を受け入れるはずがなかった。
しかし、暦は、キスショットを生かすことを決断し、忍野メメの言うことを実行しました。
これによって、キスショットは、暦の血を吸わなければ生きていけいないようになり、「化物語」の「忍(しのぶ)」へとなるのです。
以上が「傷物語」のあらすじです。
阿良々木暦とキスショットアセロラオリオンハートアンダーブレードの出会いの物語。
お互いがお互いの傷を舐めあう、誰の願いも叶わないバッドエンドという形で終わります。
「傷物語」は小説とアニメどっちがおすすめ?
「化物語」の前日譚である「傷物語」のあらすじを紹介してきました。
僕は、アニメも小説も、何度も見返していますけどやっぱり面白いですね~。
物語シリーズを深く知れる作品なので絶対に見ておくべきですね!
じゃあ
「アニメと小説どっちがおすすめなの?」
と聞かれれば、本当に申し訳ないんですけど
「両方おすすめです!」
という答えになってしまいます。
アニメでは、小説では表現できない仕草や表情、話し方などを楽しむことができますし、小説では、アニメでは表現できない細かい描写などがあります。
つまり、どちらか一方ではなく、両方を見てもらいたいというのが僕の結論です!
「傷物語」を最高に楽しむ方法
個人的には、アニメを見て、小説を聴くというのが「傷物語」を最高に楽しむ方法なんじゃないかなと思います。
小説を聴くってどういうこと?って思うかもなんですけど、最近では「オーディオブック」といって、ビジネス書や小説などの本を朗読してくれて「本を聴く」というサービスがあるんですよね。
オーディオブックサービスの中でもAmazonが提供する「Amazon Audible」はおすすめです。
AmazonAudibleは、月額1,500円(初回30日間無料)で12万冊以上の本が聴き放題となっています。
今回、紹介した「傷物語」はもちろん、「化物語」や「偽物語」などの物語シリーズも聴き放題対象なんですよね!
なぜ「傷物語」を聴くのがおすすめなのかというと、朗読される方が、物語シリーズでも担当されていた本物の声優さんだからなんです!
ちなみに、傷物語のナレーターは「井上麻里奈」さんです。
- 続・終物語:老倉育
- 進撃の巨人:アルミン
- 呪術廻戦:禪院真依
主な作品は、以上のようになっていて最高レベルの声優さんですよね!
さすが!といった感じで、聴いていて心地良いですし、映像が浮かんでくるんですよね~。
ここで、先ほどの「アニメを見てから小説を聴くというのが最高に楽しめる」につながるのです。
これは本当におすすめなので、物語シリーズを楽しむなら
- アニメを観る
- 小説を聴く
をぜひ試してみてください!
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